レビュー 僕らが毎日やっている 最強の読み方 

自己啓発本 読書術

池上彰、佐藤著の「僕らが毎日やっている 最強の読み方」について、書籍の概要説明、どのような方にお勧めできるか、また本書で触れられるテクニックを3つ紹介します。

本の概要

どうしたら正しい情報を効率よく集め、教養を深めることができるか知りたい方に最適の良書です。

本書では各種メディアの扱い方について、池上氏と佐藤氏の対談を通じて解説します。対談では2人が活用している具体的な媒体名が紹介されます。特に新聞の活用方法に関して多くページが割かれています。今後の情報収集効率を高めるため、学生から社会人まで幅広くお勧めしたい1冊です。

本書を読むことにより、メディアリテラシーの向上が図れ視座が広がります。また、情報の取捨選択の精度が上がり、誤った情報に惑わされることも減るのではないかと思います。

大切な時間を、ネットばかり見てムダにしていませんか?以下のことが知りたい人はぜひ本書をお読みください。あなたの日常が、きっと変わるはずです。

どのサイトを見ればいい?スマホやパソコン、SNSはどう使う?

「グーグル検索」「ヤフーニュース」がおすすめできない理由は?

気になる記事はどう保管する?クラウドを「ゴミ箱」にしない秘訣は?

「世の中を知る」には新聞がベスト、どの新聞をどう読めばいい?

「世の中を理解する」には書籍が不可欠、読み方・選び方のコツは?

「自分の興味や関心、視野」を広げる雑誌の上手な活用法は?

テレビ・映画・ドラマは、何をどう見ればいい?

(表紙の裏より引用)

目次

序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開

第1章 僕らの新聞の読み方 ーどの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで

第2章 僕らの雑誌の読み方 ー週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで

第3章 僕らのネットの使い方 ー上級者のメディアをどう使いこなすか

第4章 僕らの書籍の読み方 ー速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで

第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方 ー基礎知識をいっきに強化する

スペック

サイズ:B6

ページ数:329

発行:2016年12月29日

著者:池上彰 佐藤優

発行:東洋経済新報社

こんな方にお勧め

本書では各種メディアの扱い方について、池上氏と佐藤氏の対談形式によって解説されます。特に新聞の活用方法に関して多くページが割かれており、入社試験や昇進試験などで新聞を読み始めたい人に強くお勧めした1冊です。

今後の情報収集効率を高めるため、20代のうちに読了することをお勧めしたいです。本書を読むことにより、メディアリテラシーの向上が図れ視座が広がります。また、情報の取捨選択の精度が上がり、誤った情報に惑わされることも減るのではないかと思います。

以下の3つに該当する方には特にお勧めできます。

各種メディアの使い方を知りたい方

本書では、池上氏・佐藤氏両名が対談形式で各メディアの活用方法を解説しています。各メディアとは、新聞をはじめ、雑誌・インターネットサイト・書籍から学習参考書まで幅広い媒体をカバーしており、現代の情報収集に適した内容となっています。

また、誤った情報に踊らされないためのテクニックも紹介されており、信頼度の高いソースの紹介や情報の見分け方など、情報で溢れている現代に必要なスキルを身に着けることができます。

特に新聞の活用方法については一読すべきだと思います。

池上氏と佐藤氏の共通見解のひとつとして、「新聞は少なくとも2紙以上読まなければ危険」(p41)

と述べています。新聞1紙だけに目を通すだけでは、各新聞社のバイアスに気づけない点を注意すべきだと指摘しており、これはテレビなど新聞以外の媒体でも同様だと思います。

他にも新聞の具体的な読み進め方や、各新聞社の右派・左派の立ち位置なども説明されており、実際に新聞を読む際に役に立つ内容になっています。

池上氏・佐藤氏が活用する新聞・雑誌や書籍を知りたい方

対談では、池上氏・佐藤氏の両氏が実際に活用されている各種メディアについて、実際に名前を挙げて触れられています。その際に紹介されたメディアの一覧が付録としてついています。

読まれている新聞・雑誌や、確認されている国内外のサイト(アドレス付き)が一覧されているため、両名と同じ媒体をチェックする事が可能です。

余談としてテレビドラマや映画の紹介もされています。知識人が目に通すドラマや映画とは何か、気になる方は本書を手に取ってみてください。

池上彰氏・佐藤優氏のファン

本書は、池上氏と佐藤氏の対談形式によって展開されます。

巻頭カラーでは両名の居室写真が掲載されており、池上氏の研究室と、佐藤氏の作業場(全国に4か所あるそうです)本棚や卓上の小物など普段使われるアイテムも紹介されています。ファンには非常に興味深い内容になっています。

補足として池上氏と佐藤氏のプロフィールを以下で紹介します。

池上彰氏について

1950年生まれ、長野県出身。慶應義塾大学卒業後、NHKに入局し、記者経験を重ね報道局記者主幹を務める。その後「週刊こどもニュース」、「オトナへのトビラTV」、「メディアのめ」などに出演。退局後はフリーのジャーナリストとしてテレビ・雑誌や書籍など数多くのメディアに出演し、大学教授として教育にも携わる。

私は池上先生は50代前半かと思っていましたが、70代だと知り驚きました。バイタリティ溢れ、とても70代には見えません。選挙特番でも大活躍。インタビューと称して、ニコニコしながら候補者を料理する姿が好きです。出演される様々なテレビ番組では解説者として出演される事が多く、池上彰氏より物事の説明が上手な方を私は知りません。

佐藤優氏について

佐藤優(さとう・まさる)/1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア日本国大使館勤務など経て、本省国際情報局分析第一課に配属、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍する。2002年、鈴木宗男事件に連座する形で、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴される。2009年有罪確定(懲役2年6か月、執行猶予4年)。2013年6月に執行猶予期間を満了、刑の言い渡しが効力を失う。捜査の内幕を描いた『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)が2005年に出版されると大反響を呼ぶ。翌2006年の『自壊する帝国』(いずれも新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞。『獄中記』(岩波現代文庫)、『私のマルクス』(文春文庫)、『先生と私』(幻冬舎文庫)、『人に強くなる極意』(青春出版社)ほか著書多数。(A-portオンラインサロン プロフィールより転載)

池上氏と比べると、あまりテレビには出演されていません。一方、雑誌や新聞でコラムを目にすることは多いのではないでしょうか。

池上×佐藤式 70+7の極意 少し紹介します

本書では池上氏と佐藤氏が実際に用いているテクニックを70+7の極意として紹介しています。特に気になった3点だけ紹介したいと思います。

グーグル検索はじつは効率が悪いことを知る。ウィキペディアは、内容の信憑性にバラツキあり(p167)

グーグル検索が不便になっていると池上氏は述べています。

理由として、検索のアルゴリズムの変更により新しい情報を検索上位に返す傾向が強まっているため、調べものをする際の検索効率が下がっているとの事。

確かにブログ等でも新着記事は検索で引っ掛かりやすいですが、過去の記事は検索されにくい印象があります。検索者の大半は古い記事を欲していない点、理解できます。しかし、調べものをする際は困ります。

ウィキペディアに関しては、精度が怪しい点は皆様も同意できるかと思います。

池上氏と佐藤氏のウィキペディアの記載内容も間違っていたそうで、自身で修正されても、再度誤った情報で上書きされてしまったとのこと。しっかり情報の裏をとる必要性を説いていました。

「プリズム効果」に注意する。ネットでは自分の考えに近いものが「大きく」見える。(p157)

ネットには特定のものだけが大きく見えたり、別のものが見えなくなったりする「プリズム効果」があると佐藤氏が述べています。

ネットは無数の情報で溢れており、ネット検索は「視野が広くなる」と思われがちです。

しかし、ネット検索は過去の検索履歴から、自分の検索が分析され、「知りたいことだけ知ることができる」情報に偏っていくという危険性について説明されていました。

特にSNSは自分の選んだ相手の意見しか吸い上げることができず、同じ思想を持った人間だけのコミュニティになりがちです。

情報は俯瞰してみる癖をつけないといけないと痛感しました。

新聞は「飛ばし読み」が基本。記事を読むかどうか、「見出し」と「リード」で判断し、迷った記事は読まない(81p)

私は会社に勤めてから、「新聞を読め」と幾多の先輩から言われてきました。しかし、誰も新聞の読み方は教えてくれませんでした。

佐藤氏は「1日のうちで新聞にかける時間」をまずは決めること(p80)とアドバイスされています。

新聞の朝刊は文字数にすると約20万字もボリュームがあるらしく、すべてを精読しようとすると時間が足りません。

ダラダラと新聞の頭から読むのではなく、記事を「見出しだけで済ませる記事」、「リードまで読む記事」「最後の本文まで読む記事」に分けることが時間効率の点から合理的だと述べています。

私の場合は通勤の際、特定の駅間(30分ほど)で日経新聞の朝刊をざっと読み、休日に保存した記事を精読するようにしています。時間を区切った方が集中力も続きますし、記憶の定着が良い気がします。

おわりに

知の巨人と言っても過言ではない、池上彰氏と佐藤優氏の情報収集方法が学べる1冊となっています。

池上氏は元新聞記者です。新聞の読み方について、これ以上解説に適した方はいないのではないでしょうか。また、佐藤氏も元外交官であり、正しい情報の収集方法について右に出るものはいないです。

情報が玉石混淆としており、有益な情報だけを精査することは非常に難しくなってます。情報に溢れた現代で正しい情報を得て、教養を身につけるための足掛かりになる1冊だと感じました。

お2人のプライベートな1面も垣間見ることができ、非常に読みやすい良書です。

これから本をたくさん読みたい。新聞を購読したいと思う方にぜひおすすめしたいと思います。

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